ドールノススメ 「2.ドールの種類と選び方」
第2回となりました、「ドールノススメ」。
今回は、入口をくぐった後の基礎。
「素材」と「素体」、またメーカーの話から。
そもそも「ドール」とは?
一口にドールと言ってもいろいろありますが、みなさんはどんなものを想像されますか?
所謂フランス人形と聞いてイメージできるようなアンティークドール、またはビスク(陶器)ドール。
漫画「ローゼンメイデン」や、ゴシックホラーテイストの作品に見られる、球体関節人形(これもビスクドールである場合が多いですが)。
あとはリカちゃんやバービーなどの、トイドール。
ドール=人形という意味なので、このどれもドールです。
しかし近年において、特に日本のホビー界隈で「ドール」といった場合、それは「プラスチック製」のものを指す事が多いです。
プラスチック製というのは、素体の外皮がレジンキャスト(キャスト)製やソフトビニール(ソフビ)製で内側の関節フレームが硬いプラ製、という構造のタイプが主流となっています。
見た目こそプラスチックでできた球体関節人形ではありますが、実際には球体を模した精巧な関節フレームが内蔵されている、という実はハイテクな代物です。
フェイスパーツ(顔面)だけは繊細な素材に精彩なメイクが施されている、至ってデリケートなものではあるものの、ボディに関して言えば、最新技術によって生み出された精密な関節機構の採用によって多少は無理な体勢も利く、とっても丈夫な体なのです。
その仕組みは、男性ならアクションフィギュア、女性なら出来上がってるガンダムみてえなやつとでも思ってもらえればいいでしょう。
そういったしっかりとした関節フレーム(骨組み)の上に、さらに人間の美しい丸みを模した造形のボディパーツを被せたものが、現代のドール素体です。
ビスクドールは落とすと割れてしまいますし、リカちゃんはポーズに限界がありますね。
プラスチック製球体関節素体はそれらの懸念を概ね払拭できる、非常に素晴らしい素体なのです。
ちなみに、それを発売しているメーカーは、日本にも複数あります。
そしてなんともありがたい事に、各メーカーともサイズがある程度規格化されているんですね。
よく使われる表記としては「1/3」や「1/6」といったもの。
これは人間サイズと比較したスケールとなっていて、1/3なら主に50〜60cmクラス、1/6なら主に22〜27cmクラスを指します。
1/3サイズはローゼンメイデン、1/6サイズはリカちゃん的な大きさと例えればよいでしょうか。
メーカーが変わってもサイズさえある程度統一されていれば、衣装やパーツの代用が効いたりと、よりコーディネート(カスタム)の幅が広がるのです。
では、その代表的なドールメーカーを紹介します。
まずはボークス。
昨今のドールカルチャーを確立させたメーカーです。
アンティークテイストでありながらカジュアルさも併せ持った事で、ドールを一気に一般層まで浸透させた、根強い人気のスーパードルフィーシリーズや、よりフィギュアライクな方向性のキュートなデザインによって、多くの男性達をドールの世界へ取り込んだドルフィードリームなどを主力としています。
これらは60cmクラスで、男の子ドールなんていうものもありますね。
他にも、42cmのミニスーパードルフィーや、1/6サイズのドルフィープラスなど、シリーズも多様化しています。
また、アニメなど既存キャラモデルのドールを限定発売したり、新作ドレスが発売されれば即完売したりと、現在も業界最大手として絶大な人気を誇っています。
ちなみに、スーパードルフィーはキャスト製、ドルフィードリームはソフビ製となっています。
続いて、アゾン。
ここのブログでもたまに紹介する、個人的には大変お世話になっているメーカーさんです。
50cmクラスのブラックレイヴンシリーズや、23cmクラスのえっくすきゅーとシリーズを主力としていて、いずれもアニメチックなデザインの可愛らしいドールが特徴的です。
1/12サイズのピコニーモなんていう面白い商品もありますね。
こちらのメーカーもまた、アニメやゲームキャラのコラボモデルも出しています。
アゾンさんはカジュアルなデザインの衣装が豊富で、なおかつコンスタントな発売ペースな上に再販も頻繁にあるので非常に買いやすいというメリットを、個人的にはかなり推したいところ。
うちの子が50cmサイズというのもありますが、衣装についてはほぼこちらで見繕っています。
また、1/6サイズの衣装に関しては、おそらくこちらが最も豊富なはず。
リアル店舗数は限られますが、ネット通販のアゾネットがあるので、全国で入手可能です。
最後に、オビツ。
こちらは、とにかく素体のフレームにおいては最強だと思います。
可動範囲が広く、丈夫で、交換パーツも多い。
他社製のドールヘッドに、ボディだけオビツ製に換装するオーナーさんもいるほど。
うちの子のボディもこちらのオビツ製ですが、素体に関しては全幅の信頼を置いています。
また頻度は低いですが、オリジナル完成キットの限定受注生産を行っている事もあります。
それよりも、最近では1/3ボディのセミオーダーに力を入れているようで、それは後々カスタマイズする事を考えれば、予算的にもそちらの方がオーナー的にありがたいのかもしれませんね。
そのため、ドールアイ(目ん玉)などのパーツの種類も豊富になってきています。
ちなみにこちらはソフビボディ。
余談ですが、オビツさんはキューピーなどのソフビ人形の展開にも力を入れています。
オビツといえば、ソフビと素体といった感じ。
メーカーに関しては、まずは国内この3社であれば間違いないでしょう。
ちなみに、メーカーではありませんが所謂「巨頭系」のドールとして、ブライスを中心とした低頭身のドールも人気があります。
こちらに関しては個人的にあまり明るくないもので、詳細は触れられず申し訳ありませんが、これらも衣装などは通常の高頭身ドールと互換性のあるものが多いようですね。ご参考までに。
いかがでしたか?
ドールというと、「レトロ」「アンティーク」という印象をお持ちの方も多いと思います。
そうなれば、ドールは美術品と同じように触れる事もはばかられる繊細なものというイメージになるかもしれませんが、先に述べたように近年の樹脂製ドールは模型に近い、もっと身近で触れ合いやすいものとなっています。
これを知っていただいた事で、よりドールへの興味を深めていただければ幸いです。
次回はいよいよ「ドールの選び方」について書きたいと思っています。
それではまた、次回「3.」でお会いしましょう。
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